感想記

本を読む女性が魅力的!〜『おおかみこどもの雨と雪』

『時をかける少女』、『サマーウォーズ』に続く、細田守監督の最新作。 大学生の花は、"おおかみおとこ"と出会って恋に落ち、やがて雪の日生まれの姉"雪"と雨の日生まれの弟"雨"の2人の子をもうける。しかし、"おおかみおとこ"は急に亡くなり、花が姉弟を育…

「人は旭川で恋なんてするものなのかしら?」

映画『ノルウェイの森』を観てきた。原作があんなに有名な小説なだけに、正直どうかなぁとあまり期待していなかったが、なかなか好感の持てる1本だった。 熱狂的なハルキストなら、いろいろ不満や突っ込みドコロもあるのかも知れないが(突撃隊のエピソード…

『異人たちとの夏』

出張中の友人と会うため、昨日から1泊2日で東京に行ってきた。昨晩は月島でもんじゃ焼きを食べ、北海道から上京してきた友人と久しぶりにいろんな話をした。 せっかく東京に行くのだから、ともうひとつ入れた用事が、日比谷での観劇だ。 観てきたのは、『異…

いけちゃんとぼく

【ネタばれあり。この作品を観る予定がある方は、このレビューを読むことをオススメしません】 "異界"の者に支えられて少年/少女がある時期を過ごし、何らかの困難を克服してオトナへと成長していく。主人公の成長を見守る存在が交通事故で亡くなった姉の幽…

「ハゲタカ」

昨日観そびれた『ハゲタカ』。今日こそ無事に観ることができた。暇潰しと称してパチンコ屋に入ったりせず(昨日の日記を参照)、ジュンク堂書店で予想以上に時間(とお金)を費やして晩ごはんを食べられないというアクシデントに見舞われながらも、何とか開演時…

モノレールねこ

モノレールねこ (文春文庫)作者: 加納朋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/06/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 22回この商品を含むブログ (58件) を見る 書店で見かけた文庫本の帯。この惹き句にひかれてついつい買ってしまった。「ザリガニの話…

サガン-悲しみよ こんにちは-

【ネタばれあり。この作品を観る予定がある方は、このレビューを読むことをオススメしません】 フランソワーズ・サガンの生涯を描いた1本。『悲しみよこんにちは』で作家デビュー、大ヒットした冒頭数分間をピークに、享楽的でスキャンダラスな生活にハマっ…

ノン子 36歳(家事手伝い)

【ネタばれあり。この作品を観る予定がある方は、このレビューを読むことをオススメしません】 東京で女優(Vシネマ女優ぐらいだろうか)をやったものの、いまいち売れないまま結婚、離婚を経て郷里の田舎町に戻ってきた家事手伝いのノブ子(通称・ノン子=…

吉野北高校図書委員会

吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ) 作者: 山本渚 出版社/メーカー: メディアファクトリー 発売日: 2008/08/21 メディア: 文庫 クリック: 23回 この商品を含むブログ (56件) を見る 炎天下のグラウンドや体育館、武道場での厳しい練習。油絵の具のに…

泪壺

渡辺淳一の短編小説が原作。主演の小島可奈子が見てみたくて劇場に足を運んだ。 「ひょっとしたら、あえて狙ってるんですか」と聞きたくなるぐらい、表現があまりに安易で安直。とってもチープ感が漂う。原作にはなかったという、登場人物らの少年・少女時代…

KIDS

【ネタばれあり。この作品を観る予定がある方は、このレビューを読むことをオススメしません】 乙一の短編小説が原作。「あれ、確か『きみにしか聞こえない』(成海璃子主演)の原作と同じ本だったなあ」と思ったが、それもそのはず。『きみにしか…』でデビ…

僕とポーク

僕とポーク作者: ほしよりこ出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2007/12/06メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 78回この商品を含むブログ (126件) を見る 「きょうの猫村さん」でおなじみ、ほしよりこの作品集。猫村さんと同様に1ページ2コマ、独特…

music&me(DVD付)

music & meアーティスト: 原田知世出版社/メーカー: ヒップランドミュージックコーポレーション発売日: 2007/11/28メディア: CD購入: 9人 クリック: 236回この商品を含むブログ (196件) を見る 新曲や洋楽のカバー曲を交えた、記念すべきデビュー25周年を…

22才の別れ Lycoris葉見ず花見ず物語

【ネタばれあり。この作品を観る予定がある方は、このレビューを読むことをオススメしません】 伊勢正三の名曲「22才の別れ」をモチーフに、川野(筧利夫)と花鈴(鈴木聖奈)、花鈴を自分の命と引き替えに産んだ葉子(中村美玲)の親子2代にわたる恋愛を…

きみにしか聞こえない

同じ成海璃子主演の作品ながら、前日に観た「あしたの私のつくり方」よりお金をかけてしっかり撮ったという印象の作品。監督の作家性は希薄で(価値判断は含んでいない)、きれいかつ無難にまとまっている。ファンタジックなストーリィの道具立てとなる"頭の…

あしたの私のつくり方

高校生の寿梨(成海璃子)は、学校では仲間はずれにならないように目立たず、家では離婚した母を気遣って良い娘を"演じる"毎日。ふとしたきっかけから、転校した友人・日南子(前田敦子)に携帯メールを送る。日南子はメールを頼りに、新しい学校で人気者"ヒ…

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女 作者: 森見登美彦 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2006/11/29 メディア: 単行本 購入: 40人 クリック: 2,165回 この商品を含むブログ (981件) を見る 京都を舞台にしたファンタジックな物語。「黒髪の乙女」と「先輩」の視点から交互…

『官能小説』

『官能小説』というタイトルのマンガを読んだ。先日観た同名映画の原作で、映画のできは全然良くなかったのだが(「おすすめレビュー」を参照)、何だか気になって、読んでみようと探していたもの。 コミックは全5巻だが、映画になったのは、どうやら最初の1…

演劇博覧会「カラフル2」【2日目】

「カラフル」の2日目、残り8作品を観た。昨日の疲れが残っているようで、朝はさすがにテンションも低かったものの、作品を観るごとに、回復した気がする。とはいえ、やっぱり退屈だったり、好みに合わない作品もあるので、8本のうち3本は睡眠時間に充て…

演劇博覧会「カラフル2」【1日目】

2005年に開催された愛・地球博の会場,愛知県長久手町で3日から2日間,演劇博覧会「カラフル2」が開かれている。4年前に地元の若手劇団が開いた「カラフル」の拡大版で,名古屋の劇団を中心に,大阪や東京,京都も含めて16劇団が参加した。2劇場…

官能小説

【ネタばれあり。この作品を観る予定がある方は、このレビューを読むことをオススメしません】 藤井みつるの同名コミック(小学館フラワーコミックス)が原作。主演のグラビアアイドル・大久保麻梨子を見ようと映画館に足を運んだので、作品の出来は特に期待…

となり町戦争

第17回すばる文学賞を受賞した三崎亜記のデビュー小説の映画化。となり町との戦争という「事業」を始めた舞坂町に住む会社員・北原(江口洋介)が、リアリティを欠いたまま戦争に巻き込まれていく。あくまで「事業」として、戦争業務を進めていく町職員・香…

ハズれた映画のレビューを書く

昨日、仕事の合間に、ずっと楽しみにしていた映画「となり町戦争」(渡辺謙作監督)を観た。楽しみにしていた理由は2つ、?原作の小説(三崎亜記)が面白い?原田知世さん(と江口洋介)が主演していること。しかしながら、?はともかくとして、?の観点では大…

リトル・ミス・サンシャイン

美少女コンテストの優勝を目指す少女と個性的な家族が、ワゴン車に乗って千数百キロ離れたコンテスト会場を目指すロードムービー。 「恋に破れて自殺未遂を起こした、マルセル・プルースト研究のアメリカでの第一人者」とか「ニーチェに心酔して、空軍パイロ…

失われた町

失われた町作者: 三崎亜記出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (167件) を見る 第17回小説すばる新人賞受賞作『となり町戦争』でデビューした三崎亜記の長編作品。ずっしりとした、読み応…

酒井家のしあわせ

【若干の漠然としたネタばれあり】 忍者の里として有名な伊賀は三重県の中でも、大阪圏との結びつきが強い独特の地域。のんびりした田舎町を舞台に、ひとつの家庭の日常を描く。三重の言葉とか、三交バス、パイロゲンなどなど、三重に縁のある人にはノスタル…

フラガール

名画座でかかっているのを,今ごろになって鑑賞。青春,友情,別れ,反目,理解,成長など,わかりやすい要素がたくさん盛りこまれ,素直に作られた作品。そのまま素直に感動させられた。田舎に仕方なく流れてきたダンスの講師・まどか(松雪泰子)が,本気…

風俗嬢、その後。

風俗嬢、その後。作者: 酒井あゆみ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/11/16メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 88回この商品を含むブログ (9件) を見る ファッションヘルスやビデオ女優など,風俗業界でさまざまな仕事を経験し,現在はノンフィク…

【レビュー】映画『22歳の別れ』

『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』 年度: 2006 国: 日本 公開日: 2007年GW(予定) 伊勢正三の名曲「22歳の別れ」をモチーフに、川野(筧利夫)と葉子(中村美玲)、葉子の命と引き替えに生まれた娘・花鈴(鈴木聖奈)の親子にわたる恋愛を描いた物…

硫黄島からの手紙

ごめんなさい、見くびってたよ。 どうせ、ハリウッドの戦争映画でしょ。 どうせ、アイドルグループのお兄ちゃんが主演(のうちの一人)なんでしょ。 観る前に持っていたそんな先入観や偏見は、あっという間に吹き飛んだ。実話を下敷きに、圧倒的な迫力と深い…