『官能小説』

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 『官能小説』というタイトルのマンガを読んだ。先日観た同名映画の原作で、映画のできは全然良くなかったのだが(「おすすめレビュー」を参照)、何だか気になって、読んでみようと探していたもの。
 コミックは全5巻だが、映画になったのは、どうやら最初の1話分のよう。きっとこの1話で読み切りだったのが、好評で連載化されたというトコロだろうか。けっこう面白くて、つい引き込まれてしまった。主人公のOLと同じ会社に勤めている6歳年下の恋人が、実は官能小説を書く作家でもあるという物語。話が進むにつれて、官能小説作家という設定が薄れて、ただの社内恋愛のハナシになってしまっている気もするが、それでも登場人物はなかなかに魅力的。映画をひどくチャチなものにしたラストの科白(せりふ)が、原作にないものだとわかったこともひと安心。
 しかし、最近観る映画はハズレが多い。特に、原作はいいのに何故こんなになってしまうの?というのが目立つ。様々な制約もあり、原作そのままを映像にするわけにいかないのは理解するが、原作の魅力を一切フィルムに反映できないのはあんまりだろう。
 批判ばかりするのも心苦しいので、映画のほうの『官能小説』もいいところを挙げるとすれば、主演のグラビアアイドルが最後の場面で見せる笑顔が良かった。彼女のプロモーションビデオとして考えるのなら、まあ許せるだろうか。