「人は旭川で恋なんてするものなのかしら?」

 映画『ノルウェイの森』を観てきた。原作があんなに有名な小説なだけに、正直どうかなぁとあまり期待していなかったが、なかなか好感の持てる1本だった。
 熱狂的なハルキストなら、いろいろ不満や突っ込みドコロもあるのかも知れないが(突撃隊のエピソードを中途半端にはしょってる、とか。)、結構村上ハルキ的というか、ハルキっぽい仕上がりだったのではないか。
 映像のつくりも、随分こだわっているようで常に美しく、しかも物語の時代のニオイを感じさせていた。松山ケンイチのどこかボクトツとした話し方も良かったし、菊地凛子ってあんなにイイんだと初めて知った(どちらかというと「食わず嫌い」の部類だったので)。
 今回の日記のタイトルは、原作にも出てくるレイコさんの台詞。村上春樹の作品にはたまに北海道の地名が出てくるが(『羊をめぐる冒険』なんか、主要な舞台にもなっている)、『ノルウェイ』の頃の旭川って、そんなイメージだったのかなぁ。

ノルウェイの森』(2010、トラン・アン・ユン監督)2010年12月11日、ワーナー・マイカル・シネマ大高(名古屋市