苦しいとすぐに なげだしてしまうクセ

 子どもの頃から、良くないクセがひとつある。急に何かを放り出してしまうクセだ。「努力」とか「継続」とかが似合うタイプではないし、何かを成し遂げたという成功体験のようなものも乏しい気がする。体育会系ではないことも大きな影を落としているのかも知れない。

 大学時代に1年余り所属していたサークルが、設立30周年を迎えるという。大学自体が開学35年目なので(元をたどればさらに100年以上さかのぼるのだが)、意外と歴史あるサークルだったようだ。「30周年記念事業のためにメッセージとご寄付を」というメールが、転送を繰り返し、流れ流れて今日届いた。1年数ヶ月で退会してしまったので、いまさら「OBづら」もできず、今回は遠慮させていただくことにした。

 このサークルもそうだったが、自分には人間関係などの何か重要なものを投げ出してしまうクセがある。ささいなことが積み重なるうちに、心の中で大きく膨らんで、やがては距離をおいてしまう。友人関係や所属していた団体、足しげく通っていた場所から足が遠のいてしまうのだ。投げ出した直後はすっきりした爽快感を覚えることすらあるのだが、あとからじわじわと、その「居場所」が自分にとってどれだけ重要だったかを思い知ることになる。最近になっても、そうやって放り出しては後悔したりするものだから、進歩がなくて始末におえない。そろそろ学習しても良さそうなものなんだけれど・・・。

(タイトルは渡辺美里『みんないた夏』から)