ゆるゆる観光


 (前の日記の続き)東尋坊をゆるゆると歩く。それなりにやって来る観光客目当てに、土産物店がずらりと並ぶ。店頭ではイカやホタテの串焼きが売られ、海産物と醤油が焦げる香りが、あたりに漂う。
 東尋坊タワーも発見。かな〜りユルそうな気配を漂わせているが、タワーや展望台を見つけると、のぼらずにはいられない体質!?なので、早速のぼることに決める。
 タワー1階は、客も見当たらないくらいの渋い土産物店。全国各地のタワーを紹介する写真パネルは、すっかり色褪せている。タワーを訪れた橋下弁護士(当時)や、「東尋坊」を歌う演歌歌手ら“有名人”の色紙もひっそりと飾られている。何ともユルい。
 いよいよ本題の展望台。500円を払って、エレベーターで地上55メートルまでのぼる。2分ぐらいで一周できそうな展望台は、案の定、人影はまばらだった。お決まりの100円双眼鏡や記念メダルの販売機がぽつんと置かれ、独り言をつぶやきながら30がらみの女性が写真を撮っている。景色もそれなりに綺麗だが、岩場の絶景の中を歩いたあとではパンチにかける。でも、そんなユルユルな展望台には、どことなく憎めない、昔からの友人のような懐かしさと親密さを感じずにはいられないのだ。