津波てんでんこ

 今日は辞令交付式から一日が始まった。旭川から沖縄まで、辞令を受け取った派遣職員は三十数名。室蘭とか東海市(愛知)とかから来ているのは、「鉄」つながりだからだろうか。
 式で市長が話された「津波てんでんこ」。ひとたび津波が起きたら、家族の心配をして探しに行くなどせずに、それぞれが避難するべきと、昔から伝えられている。
 「とにかくすぐにみんなが逃げたら助かる」というくらいの意味かと思っていたが、市長は「家族のうち、せめて誰かが生き残ることができるようにという厳しい意味だ」と解説された。そして、その次の台詞。

津波は、それだけ厳しいものなのです」

 ずしりと響く、重みのある言葉だった。