”夜汽車”を取材

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 今夜は会社で泊まり勤務。東京-大阪間を約8時間20分で結ぶ寝台急行「銀河」が59年の歴史に幕を閉じるというので、夜中に名古屋駅へ取材に行った。「夜汽車」はいささか古めかしい表現で、実際"汽車"じゃなくて電車ではあるけれども。名古屋駅のホームでは、"鉄分"の濃淡こそあれ鉄道マニアの人たちが集い、カメラを構えたり、思い思いのやり方で最終列車を見送っていた。
 寝台列車で旅行なんて、お金はともかくとしても、時間的に余裕のある人しかできない"ぜいたく"だ。特に、今の仕事をしていると、のんびり汽車旅を楽しむ余裕はなかなかない。
 名古屋駅のホームを離れていく青い車体を眺めていると、高校の修学旅行で乗った上野行きの寝台列車を思い出した。線路から車輪を伝う振動が、客車をリズミカルに揺らす。延々と続く東北のどこかでふと目が覚めて、窓の外をぼんやり眺めた。ポケットラジオがAMの電波をそっと拾い、途切れ途切れに流れる、聞いたことのないCMが「遠くにいる」という実感を湧かせる。
 そうそう、上野駅に降り立った同級生の1人に、いつもは怖い数学の先生がやさしく言ったのも覚えている。「おい、スリッパのままだぞ!」。