自動シャンプー

 おとといが泊まり勤務で、昨日は泊まり明けだった。明けの日は、前の晩に風呂に入れないこともあって無性に「すっきり」したくなる。そういえばしばらく行ってないなあ、などと思いながら、理髪店に行ってきた。
 仕事が片付いてから出かけた(泊まり明けでも普通に仕事)ので、いつも行っている店はすでに閉まっている。駅前の繁華街で赤と青のネジネジサインを見つけて、初めて飛び込んだ店にその「装置」はあった。
 「当店は『自動シャンプー』です。ご経験は?」と店員。自動シャンプー??不安を覚えながらも、装置に頭をセットされる。美容院でのシャンプーの時のように、顔にタオルを載せられたタオルが視界を塞ぎ、さらに恐怖心を煽り立てる。
 後ろの方、どこか遠くで水が溜まっていく音がかすかに聞こえる。しばらくすると、勢いよくほとばしった水流が頭皮を刺激する。くすぐったい!怖い!!まんべんなく、しかも強弱さまざまに襲ってくる水流。恐怖と苦痛に顔をゆがめても、タオルの下なので店員は気付かない。ほんの数分の出来事が、とてつもなく長く感じられた。
 だいたい、シャンプーを自動化して、人件費がそんなに浮くのだろうか。設備投資に見合うのだろうか。何にせよ、あの店にはもう行かないと心に誓った。因みに、ウォシュレットも苦手だ。