聖地巡礼、うさぎ付き


 19日から3日間、広島県へ行ってきた。お目当ては映画の街・尾道。「転校生」や「さびしんぼう」、「ふたり」などが撮影された、大林監督のふるさとだ。回を重ねたロケ地巡りのほかに、今回は尾道の名物"ガイド犬"ドビンに会いに行くという、新しい目的も加わった。

 聖地・尾道を訪れる前に、ちょっと寄り道。瀬戸内海に浮かぶ小さな島・大久野(おおくの)島は、数百羽のうさぎが住む「うさぎ島」として知られる。戦時中はこの島に兵器用の毒ガス製造工場があり、「ガスが漏れていないかを感知するためにうさぎが放された」という説もあるが、今では天敵、カラスとの戦いのほかは、うさぎたちものどかに暮らしているようだ。
 島のうさぎには、えさを与えることが可能だ。島の宿泊施設フロントで、1袋100円で販売している小動物用のペレットを購入。紙袋の中でペレットがカサカサする音を聞きつけ、方々からうさぎたちが駆け寄ってくる。過去にこんなにモテたことはない、というぐらいのうさぎに、たちまち囲まれてしまった。手をかまれたり、爪が当たったりしたのはご愛嬌。

 大久野島のうさぎたちに別れを告げて、いよいよ尾道。「転校生」で主人公が転げ落ちた御袖(みそで)天満宮や、「ふたり」で主人公の姉・千津子が事故に遭った吉田邸前など、定番のロケ現場を訪ねた後は、ガイド犬・ドビンを探す。
 ドビンは尾道の商店街に住む雑種で、93年生まれというからかなりの老犬だ。商店街のほかに、尾道の路地や寺院にも出没、観光客をガイドしたりすることから多くの人たちに親しまれ、テレビや雑誌にも取り上げられている。
 商店街や、ドビンがよく訪れる写真館で"聞き込み"を実施。半日がかりの捜索の末、無事出会うことができた。

 海風に吹かれながら坂道を歩き、美味しいワッフルや新鮮な魚介類も食べて、大満足の3日間。しっかりリフレッシュして名古屋に戻った。

【写真は大久野島のうさぎ、尾道の路地で見つけた黒猫、商店街にいたドビン】