3・11、東日本大震災から4年
釜石は粉雪がちらつき、強風も時折吹く寒いー日となった。
普段と変わらず、朝から自分の仕事をする。
この日だからと、仕事がとくべつ増える訳ではない。
式典に出席する訳でもない。
でも、この日はやはり特別な意味を持つ一日。
外勤の途中、黒ずくめの服装の人たちを見かけた。
菊の花束を抱えた人を見かけた。
その時間は、職場の自席で迎えた。
14時46分、サイレンが鳴り、近くの寺の鐘の音が聞こえる。
黙とうを始める。皆、最初は座ったままだったが、
すぐに誰からともなく立ち上がり、姿勢を正して、また続ける。
サイレンの音は、地元のものと違って聞こえる。
津波警報や注意報を知らせる時と同じ、
少し高めの音は、胸をざわつかせる。
終業後、根浜海岸へ足を運んだ。
二つの催しが同時に行われている。
美濃和紙で作られた行灯が灯され、
竹の筒やガラス瓶に立てたろうそくも炎を揺らしている。
釜石駅前の「復興の鐘」は、何日か前からライトアップが始まった。
虹色の光に照らされて、粉雪が音もなく降り続けている。