「読書会」に行ってみた。


 土日をだらだらと無為に過ごしてしまうのが、最近の傾向。きょうは一念発起して(そんな大層なものか?)早起き。午前6時45分発の特急で札幌に向かった。というのも、札幌市内で月2回開かれている「読書会」に出席するためだ。
 札幌駅から徒歩で10分ぐらいの喫茶店、この日集まったメンバーは7人だった。自己紹介のあと、好きな本を1冊ずつ紹介し、質疑応答。いわゆる「課題本」などはなく、紹介される本のジャンルもバラエティに富み、なかなか興味深いディスカッションが繰り広げられた。
 ちなみに僕は、漫画家・こうの史代さんの『平凡倶楽部』を紹介した。『夕凪の街 桜の国』や『この世界の片隅で』などで有名になったこうのさんのエッセイ(!?)集で、日常のさまざまなことに向けられた観察眼の鋭さと、それを一風変わった表現方法で伝える手法が素晴らしい一冊だ。
 とくに短編まんがの『なぞなぞさん』は秀逸。新聞か雑誌の取材を受けるこうのさん、相手の記者が次々に「なぞなぞ」=「質問」を投げ付けてはこうのさんの答えを手元のノートにメモしていく。ところが、記者の中にはおそらくインタビュー前から一定のストーリィが完成しており、それに合わない答えや抽象的で一見分かりにくい答えは文章をつまみ食いされたり、まるっきり書き留められずにするすると滑り落ちていく。「多くのインタビューは実は、あらかじめ記者が作った物語をなぞらされているだけだ」ということを非常にわかりやすく描いた作品だ。現役の記者の時に読まなくて良かった、本当に。
 読書会は午前中で終了。せっかく札幌に来たので、と映画館を2軒ハシゴしたり本屋をまわったり、さらに昼間から狸小路でビールまで飲んできた。なかなか充実した休日だ。

【きょう紹介された本】
ハリーポッター 賢者の石
・藤原悪魔 藤原新也
・日本男児 長友佑都
・永遠の”0”(ゼロ) 百田尚樹
・惚れられるサービス K.アンダーソン